|牝馬の基礎知識|近年のクラシック優勝馬|二冠馬、三冠馬|最新フリーハンデ|
‐牝馬の正しい名称‐
英語で馬を表すとき、年齢や性、用途によって適当に使い分けています。4歳までの牝馬はフィリー(filly)、5歳以降はメア(mare)となり、
その後、繁殖入りするとブルードメア(broodmare)になります。母馬を表す言葉はまた別にダム(dam)が用意されています。
ちなみに離乳前の仔馬
はサクリング(suckling)、離乳後はウィーンリング(weanking)、そして1歳はイヤリング(yearling)です。
‐母系社会‐
日本の競馬には父親ばかりを大事にするという傾向があります。牝よりも牡を大事にするのは素人の誤りで、競馬の中心には母系があることを知らなければならなりません。
海外から何億の大金をつぎ込んで種牡馬を手に入れよりも、海外から優秀な牝馬を手に入れることのほうが大切なのではないでしょうか?近年の日本競馬の成長はバブル期に手に入れた海外の
優秀な牝馬たちの産駒の活躍によって得られたものが多いのです。代表的な例として、キングヘイローの母「グッバイヘイロー」、オメガグレイスの母「エリンバード」、ローエングリンの
母「カーリング」、エアトゥーレの母「スキーパラダイス」、マグナーテンの母「マジックナイト」など挙げられます。
チャンピオンサイアーであるサンデーサイレンスも繁殖に恵まれた点があります。優秀な繁殖が集まる導入2年目までには皐月賞馬ジェニュイン・イシノサンデー、
ダービー馬タヤスツヨシ、菊花賞馬ダンスインザダークのクラシックホースやフジキセキ、バブルガムフェローなどを輩出しましたが、生産者が不審に思い始め、優秀な繁殖を集めにくい3年目は
サイレンススズカこそ出したもののクラシックは無冠。以降は初年度産駒の活躍を見た生産者たちがこぞって優秀な繁殖をサンデーにつけたため、現在に至っています。
以上のように、サンデーサイレンスような歴史的な種牡馬でさえも繁殖の力なくしては成功はありませんでした。このことが競馬の世界が牝系が中心であることを
よく表している事例でしょう。
サンデー×ノーザンテースト牝馬が成功しないことがよく知られています。それはBMSにノーザンテーストが入ることで牝系の影響力が強く出ることによってサンデーの良さを
消してしまっているからなのです。サンデーとはいえども牝系のBMSによっては成功できないということからも母系の大切さがわかるのではないでしょうか。
‐ファミリーナンバー‐
19世紀末に研究者たちによって「ジェネラル・スタッド・ブック」の母系ファミリーを解析し、「サラブレッドの牝系始祖」が出されました。それを改良、
分類整理し、3大クラシックを勝った子孫の多い順に番号をつけたものが「ファミリーナンバー」です。
ちなみに母系の直系の流れは「ファミリーライン」、「フィーメルライン」、「ボトムライン」と呼ばれています。
現在世界中で飼われているサラブレッドについて、牡系先祖をたどっていくと、「バイアリー・ターク」、「ダーレイ・アラビアン」、「ゴドルフィン・アラビアン」の3頭のいずれかに
たどり着くといわれています。
では、牝系先祖たどっていくとどうなるのでしょうか?「ロイヤル・メア」という牝馬の一群にたどり着くといいます。ロイヤル・メアつまり王室の繁殖牝馬で、
王政復古により王位に就いたチャールズ2世が自分の牧場で共用する目的で海外から購入したものだといわれています。しかし、他にもイギリス在来の牝馬だとかいろいろな憶測があり、
牝系はいまだ不明な部分が少なくありません。
‐サラブレッドの妊娠期間‐
哺乳動物には「繁殖シーズン」を持つものが少なくありません。しかし、野生状態の動物に比べて家畜化された動物は繁殖シーズンが曖昧になってくるという傾向があります。
牛や豚などの雌がいい例です。卵巣機能が1年を通じていつでも活動しているため、牛乳などが安定して提供できているのです。
サラブレッドの場合は家畜が進んだ現在でも、野生時代のだいたい3月から7月という繁殖シーズンを忠実に守っています。「発情」という行動は排卵の前後数日間に見せますが、
それ以降はまったく雄を寄せ付けなくなります。
サラブレッドの妊娠期間の長さは、その牝の生活環境や栄養状態、年齢などによって誤差は出てきますが、おおよそ11.0ヶ月です。数ある哺乳動物の中でこの妊娠期間は長い部類に
当てはまります。

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