ある男と女の一景 - written at 8.10.2001 -
白い、白い場所。
どこまでも果てしなく続く、白い空間。
どこが天で、どこが地なのか、その境目すらまったくわからない。
自分が立っているのか、ひっくりかえっているのか、そんな感覚さえ
あやふやになってしまいそうな、そんなところ。
いや、もしかしたら、この感覚すらも正しいのかどうか判断できない。
右手を前に出してみる。
でも、ちゃんと右手が前に出ているという感覚が、ない。
人間の神経って、こんなにもいい加減なものなんだろうか。
ある意味、完全な暗闇の中にいるのと同じかもしれない。
でも、白いのだ。
明るいとか、暗いとかという明暗の問題ではない。
ただひたすら、白いのだ。
「ーという話」
「ふーん。それで、オチは?」
「ないよ」
「何よそれ? 訳わかんないじゃない」
「いーんだよ。別に結末なんて」
「何でよ?」
「聞いた人が、どう感じて、何を思うのかが、大切なんだ」
「どういう事?」
「だってさ、100人いたら、見え方だって100通りあったって当然だろ?」
「そりゃそうだけど・・・」
「こんな世界があります。みんなには、どう見えますか?ってさ。問題提起したいだけなんだよ、僕は」
「・・・あなた、物書きにむいてないんじゃない?」
「・・・そうかな」
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